Take Action vol.1 SDGsに取り組むミルボン

Take ActionMay.27.2022


美容業界でSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む 企業・団体をご紹介するTake Action。
第1回目は、経営戦略として SDGsのアプローチを導入している株式会社ミルボン。
サステナビリティ経営担当の青栁 文彦氏に伺いました。

SDGsに取り組むミルボン
美容室・美容産業の
サステナビリティを目指して


株式会社ミルボン サステナビリティ経営担当
シニアエキスパート 青栁 文彦氏

ミルボンは、美容室のみなさまとともに、
人々が美しく心豊かに生きられる
「未来」を創りつづけます。

美容室の新たなあり方を改革する
サロン ソーシャル イノベーション

ミルボンは、社会のあらゆるステークホルダーとの約束を果たし永続的に価値を提供するため、サステナビリティ基本方針を「ヘアデザイナーを通じて、美と心の豊かさに繋がる美容産業を創造することで、持続可能な社会の実現をめざします。」と定め、事業を展開しています。

私たちは、美容室は地域社会のなかで「美と心のコミュニティ」「美しく生きるためのプラットフォーム」として大きな役割を果たす可能性を秘めていると考えます。時代が求める新しい美容室のあり方を創造すること。これを「サロン ソーシャル イノベーション」と呼び、日本市場におけるメインの戦略としています。本年より新たな事業構想を進めており、このイノベーションを実現するために、2つの大きな柱を建てています。「ビューティプラットフォーム構想」と「サステナビリティコミットメント」(左ページ参照)です。今回は「サステナビリティコミットメント」について、5つの最重要課題を取り上げてご紹介したいと思います。

まず、ステークスホルダーとの価値共創としての課題は①美しさを通じた心の豊かさの表現です。美容室自体が、住み続けられる街づくりの一環につながっていく。つまり、地方創生をイメージした美容室の活性化です。具体的には、ミルボン公式オンラインストアーズ『milbon:iD』の登録者・展開都市数を広げることにより、リアルな美容室の経営とデジタルを融合させた知販ビジネスの確立を目指していきます。また、こうした展開を下支えしていくためのライフタイムビューティパートナー育成にも取り組んでいます。スタジオや動画、『MILBONエデュケーションiD』(オンライン受講)等を視聴いただくことで、美容業界発展の ためのノウハウを学んでいただくことを目標としています。2019年1月から「美容業界の働き方改革」として、業界の中でもいち早く夜間臨店を必要最低限にする取り組みを行ってまいりましたが、こうした取り組みにもデジタルを活用していただきたいと思います。


MILBONエデュケーションiD

メーカーとしてのイノベーション
社会的な課題に積極的に取り組む

それらを支えていくために更に4つの領域のサステナビリティコミットメントが存在します。②再生・循環型の生産・消費活動、③人に優しい調達活動では、カーボンニュートラル生産体制の構築や、サステナブルな容器包装の設計、責任ある原料調達など、社会的な課題に対しても積極的に取り組んでいます。

美容師の皆様が身近に感じられるのは、②の課題に関するプラスチック容器包装のリサイクルかもしれません。石油由来バージンプラスチックの削減についての領域になりますが、私たちは2021年10月1日から神戸市とプロジェクトを組み、使用済み詰め替えパック回収の実証実験を行なっています。神戸市内の小売75店舗に設置されたボックスで店頭回収を行い、消費者は神戸市独自のポイント還元が受けられる仕組みです。これは回収することが本来の目的ではありません。飲料ペットボトルは統一規格なので全国一斉回収が実現できていますが、メーカーの詰め替えパックは素材が違います。これをある程度統一していくことによりペットボトルのようにリサイクルできるような構造を作っていくのが目的で、業種の垣根を超えたメーカー、小売店とリサイクラー16社と取り組んでいます。ミルボンでは、さらにリサイクルしやすい詰め替えパックの設計を現在、企画開発しており、来年度以降の展開を予定しています。

また、美容業界の中で先駆けて取り組んでいるの がサステナブルパーム油の調達です。ミルボン製品の主要原料であり、世界的にも需要の高いパーム油を持続可能な形で使用していくため、2019年にRSPO※へ加盟。一部原料より認証パーム油への切り替えを進めています。人権侵害や公正なものづくり・取引き、保護活動も準拠した形で生産されるパーム油はごく一部です。質が高く、且つ社会的な意義にコミットしたプロダクトを持続的にお届けすることが私たちの役割だと思っています。


※認証ラベル・RSPOとは
WWF(World Wide Fund for Nature・世界自然保護基金)の呼びかけに応じたパーム油産業に関わるAarhus United UK Ltd.(英油脂企業)、Migros(スイス小売)、マレーシアパーム油協会、ユニリーバ(英・蘭)が2004年設立。熱帯林の伐採、生物多様性の損失や労働問題などを防ぐパーム油の国際標準策定や検査、保証を行う。

④公正かつ柔軟な経営体制、⑤働きがいのある職場環境は、ミルボン社員が働きやすく、持続的な組織となっていくことが、美容業界への貢献にもつながると考えています。⑤では、あえて働きやすさよりも“働きがい”に重きを置いています。有給をしっかり取りプライベートも充実させていける働き方や労働日数の確保。また、始めから専門職を希望する若手社員も増えているので、早めに登用することなども考えていかなくてはならない課題としてあります。具体的には新卒から3年目までの若手社員の離職率を9%未満。最終的には6%未満に抑えていくのが目標です。社員が働きやすい環境、働きがいのある会社であるかの評価を社内で取り、改善していこうという仕組みを構築しています。

また4月1日、ミルボンは企業活動全体において、基本的権利である人権を尊重する責任を果たしていくため、「ミルボングループ人権方針」を公開しました(ホームページ上)。

2030年以降も「サステナビリティ経営課題」として、4つの環境課題(CO2・気候変動、資源・廃棄物、水、生物多様性)と3つの社会・人権課題(身体的:強制労働、精神的:ダイバーシティ、社会的:ウェルビーイング等)、そして企業倫理(腐敗防止、行動規範等)に取り組んでまいります。

ミルボンの サステナビリティ活動が 分かる動画はコチラ
https://www.youtube.com/watch?v=pkpCn7MXEIY

https://www.milbon.com

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