名古屋発 若手美容師にスポットライトを当てたヘアショー『NIGHT OUT』

ミライの美容師を応援するプロジェクト

ミライビューティプロジェクトは、理美容専門学校様、生徒様へ取り組むプロジェクトです。美容業界のミライを担う皆様を様々な角度から応援していきます。

失われた熱狂を取り戻す
若き才能が花開く
NIGHT OUT

名古屋発の若手美容師にスポットライトを当てた株式会社ナプラとの共催ヘアショー「NIGHT OUT」が5月8日、Zepp Nagoyaで開催、 当日の来場者は約860名。コロナ禍で長らく失われていた表現者にとって必要不可欠な舞台への想い、 若手が活躍することの意義を伺いました。

開場前から場外には長蛇の列が並び、開場後直ぐに場内は大勢の方々で埋め尽くされ、数年ぶりに見る熱気溢れる光景に胸が熱くなりました。

出演者の条件がスタイリスト歴5年以内、年齢30歳未満というステージは、各サロンも若手の無限の可能性へのきっかけになり、学生にも未来の夢へと繋がったと思います。

任せることで新たなイノベーションが生まれる
経験値がないからこその斬新さに期待

スタイリスト歴5年以内という規定から、今回ステージに立つのは入社4年目のスタッフが中心です。この子たちはちょうど入社前にコロナが流行り始め、イベントを全く経験できていません。ヘアショーに出たことがないだけでなく、見たことさえないんです。そんな中でヘアショーを作り上げるのは難しいことではありますが、ヘアショーは美容師が輝ける醍醐味の一つ。キャリアが長く著名な美容師がステージに立つことは多いと思いますが、若手にスポットライトを当てて、活躍の場を作ってあげることはとてもいいことだと思いました。

今回ステージに立つ3人のスタッフにはテーマ決めからモデル選び、衣装、メイクなど、全てを任せています。1番最初の打ち合わせでは僕からいくつか提案したものの、若手スタッフたちから全く違う案が上がってきたので、「ここは任せてみよう」と決めました。僕は20年以上のキャリアがあるが故に固定観念もあります。経験上いくつかのパターンを思い描くことはできますが、それを押し付けては芽を潰すことになってしまう…。初めての挑戦で、真っさらな状態だからこそ、斬新なものが生まれると僕自身スタッフたちに期待していますし、「任せること」がイノベーションに繋がると考えています。ここ数年は就活でもお店よりも人を見ている学生さんが多いと聞きます。今回出演するスタッフたちに興味を持ってもらえたら嬉しいです。 



Ratie 代表 岡田 拓也氏
愛知県出身。名古屋美容専門学校卒業後、上京し『PEEK-A-BOO』に入社。その後、ヒラトヤグループ仙台エリア『Refine』の幹部として活躍し、29歳で独立。2011年に地元愛知県で『Ratie』を設立し、オーナーとなりサロン運営を行う。2022年に『LUISE by Ratie』をオープン。
Ratie　＠ratie.hair
LUISE by Ratie　＠luise_by_ratie Ratie


出演12サロンの素晴らしいステージパフォーマンスで「熱狂を取り戻せ」というテーマの通り、コロナ禍により抑えられていた熱狂が返ってきた瞬間を目の当たりにしたような気がします。

舞台があることで若手の成長に繋がる
どのサロンにも必要な新陳代謝が生まれる

若手とベテランでは経験値は違いますが、若手もチャンスがあれば今までにない新しい世界観を作っていけるはずです。そのときに足りない部分や、不安に感じている部分はベテランがサポートしていければ、より良い次世代に磨かれていくのではないでしょうか。どこのサロンでも若手の成長、世代交代は必要なこと。新陳代謝なんです。そういった意味で、『NIGHT OUT』はとても楽しみなイベントです。

『HAIR ICI』には、たくさんの若手スタッフがいますが、自分軸の色を持つ城倉、渡邉、熊倉の3人が今回のステージを担当します。彼らが交わった時にどんなことが起きるのか、僕自身興味があります。そしてサポートするのは経験値のある店長の青木。若手3人を軸に仕切り役を務めてくれています。ここ3年ほどヘアショーをはじめ、人が集まれるようなイベントがなくなり、物足りない感覚があり、サロンワーク以外に熱中できることがないことは苦しかった…。1〜3年目の子たちはそもそもそんな体験ができていない世代なので、そういう意味でもいい機会です。コンテストやヘアショーはやや下火というイメージもある中で、コロナ禍で改めてリアルでしか感じられない大切なことがある、と気付かされた人も多いでしょう。やるかやらないかは自由だけど、若い子たちこそ、画面越しに見て判断するのではなく、1度は足を運んでその熱量を感じた上でジャッジすると良いと思います。

HAIR ICI 代表 丹羽 健太氏
三重県出身。愛知美容専門学校を卒業後、『HAIR ICI』に入社。2016年創業者朝居 達雄氏と共に共同代表、2019年より単独代表として事業を継承。YABA COLLECTIONなどのイベントや、名古屋の他サロンとの繋がりを大切にした活動にも積極的に参加している。
HAIR ICI　＠hairici_official

若手の感性に先輩もワクワク
お互いに影響し合いながら未来を作る

私たちにとってかなり久しぶりのヘアショーです。出演依頼のお話をいただいてとっても嬉しかった反面、不安も大きかったです。ですが、今回のイベントの中核を任せたいスタイリストの高野に聞いたら「やりたい！」と言ってくれたので、出演を決めました。実は今年から年賀状の作品作りを高野含め若手が担当するようになり、新しい感性を発揮してくれています。高野は「フォト撮影で作品作りの楽しさに気づき、今回も挑戦したいと思いました。ヘアショーにはテーマ、ストーリー性、コンセプトも必要。ときに先輩に相談して、アドバイスをもらいながら、試行錯誤しています。イベントまであと2週間ほど。やっと形が見えてきて、楽しさを感じています。作る過程も学びになっているので、これから先のクリエイションにもいかしていけそうです」と話してくれています。

私たちは創業から77年が経ちます。コロナ禍があり、2021年にはビルの老朽化によって35年大切にしてきたお店をクローズすることも経験し、悲しく大変なことも多かったです。しかし、ある意味で時代に翻弄されながらもこうして若手が手を挙げて感性を生かし、それに対して先輩たちが協力し、お互いに影響を与え合っている。そんな姿を見ると、未来につながっている部分もあると感じています。新たにVISION店が移転オープンし、スクラップ＆ビルドを経て、変化を受け入れて新たなスタートラインに立ちました。『NIGHT OUT』への挑戦も、その1つ。精一杯表現して欲しいです。



WINNER 代表　早川 雅子氏（右）
愛知県出身。立命館大学卒業後、繊維総合商社を経て、（株）ウインナー美容室に入社。2016年に代表に就任。

WINNER スタイリスト　高野 優菜氏（左）
愛知県出身。中日美容専門学校卒業後、（株）ウインナー美容室に入社。
hair make WINNER VISION　＠winner_hair_make

サロンワーク以外でも輝く美容師の姿を見て欲しい
自分の将来像をリアルに思い描くきっかけに
ここ数年はコロナ禍の閉塞感があり、サロンワーク以外でスタイリストの活躍を見る機会が減っていました。これを機に刺激を受けてもらえたら嬉しいですね。今回ステージに立つのは30歳以下、スタイリスト歴5年以内ということで、特に2年生は就職活動をする中で、将来の自分のビジョンを想像しながら楽しんでもらいたいです。

実は今年から新しいカリキュラムを導入し、多数のサロンに講師として協力していただいています。『NIGHT OUT』の参加サロンの中には、授業でお世話になっているサロンがいくつかあることも、課外授業として観覧することを決めた理由の1つです。授業で接しているからこそ、違う側面を見て、そのすごさや魅力に気づいて欲しいです。参加12サロンは東海エリアの中でもデザイナーズから企業型まで多様性のあるラインアップ。受けてみたいというサロンもあるでしょうし、一同に見ることができるのは貴重な機会です。今の世代はスマホの中で視覚的に見ることは得意だけれど、自分の“好き”以外に接することが少なく、実際に足を運んでリアルに触れるのは少し苦手。ただ音や匂い、空気感はリアルではないと伝わらないものです。ほとんどの生徒がライブでヘアショーを見るのは初めての経験です。だからこそ授業として足を運んでもらうことで夢を膨らませてもらい、サロンワークに特化したいのか、ステージに出たいのか、自分の将来像を思い描くきっかけにしてもらえたらと思います。

名古屋美容専門学校 教諭   神戸 克仁氏
愛知県出身。中日美容専門学校通信科入学と同時に、地元のサロンに入社。県内3店舗を経て、2010年から名古屋美容専門学校の教諭として、美容師の育成に取り組む。
名古屋美容専門学校　@nagoyabiyo