静岡 ヘア アーティスティック プロジェクト

EVENT REPORTSep.25.2023

静岡の街に人を呼び
美容で街を、人を元気にする

昨年スタートした 『静岡 ヘア アーティスティック プロジェクト』。 静岡から美容師のクリエイティビティを発信する 発起人の河野 琢己氏(Brillant代表)と、 坂井 由典氏(clicquot代表)に、 プロジェクトの背景やかける想いを聞きました。





左から河野氏、坂井氏、榛村氏、芦川氏


一生懸命作った作品を
世に出したいという想いからスタート

ーこのプロジェクトを立ち上げた経緯を教えてください。

河野
 9年ほど作品撮りを続けていますが、業界誌への掲載やコンテストでしか世の中に発表する機会が無いことを、少し残念に思っていました。せっかく一生懸命作った作品なのに、評価を得られなければ日の目が当たらないのは何だかもったいない。そこで、みなさんに見てもらえる場を作ろうと仲間たちと静岡県・浜松で、『静岡 ヘア アーティスティック プロジェクト』をスタートしました。

坂井 また業界誌やコンテストは業界内への発信であり、うちうちで終わってしまうのももったいないと思っていました。僕たち美容師は本来、一般の人を相手にサロンワークをしています。日頃の学びや技術の集大成である作品を見てもらうことで、普段のサロンワークでは見せない美容師の一面を知ってもらうことは、業界にとってポジティブに働くはずです。そんな想いから同業者だけでなく、一般の人にも届くようにと、地元の飲食店や美容学校で展示をしていただくなど、地域密着型で取り組んでいます。

ー2回目となる今年は、参加美容師さんの人数が大幅に増えましたね。

河野
 昨年は浜松のみで4人でスタートしましたが、クリエイションを頑張っている美容師であれば、作品を世に出したいという考えはみんな同じようです。

坂井 昨年見にきてくれた美容師さんで、今年作 品を出している人もいますよ。クリエイションでできた横のつながりの中から、好意的な反応を寄せてくれた人に声をかけました。

河野 このプロジェクトは非営利でビジネスにつながるものではないけれど、形にしていくには時間や労力がかなりかかります。ですが、こうやって作品が世に出る機会があることは、クリエイションを続けている美容師にとって、意義のあることだと感じています。僕としては3年計画で写真展をやりながら、最終的にはこの仲間たちと写真集を作りたいと考えています。



美容業界の未来を
ポジティブな方向へと導きたい


ーそこまで熱意を持てるのはなぜ?

河野 このプロジェクトに携わる美容師は20年以上のキャリアをもつベテランが多いのですが、僕らなりの背中を次世代の美容師たちに見せていきたい。僕らが先輩たちの背中を見てクリエイションに興味を持ったように、美容業界の未来につながるといいなと思っています。

坂井 たまたま見てくれた中高生が「美容師ってこういうこともやるんだ」と興味を持ってくれたら嬉しいよね。SNSでは加工が当たり前で、ウソか本当か分からない情報も溢れています。多くの人の目に触れるのはメリットだけど、実際に足を運んでくれる地域の人に認知されなければ、僕らの価値は下がってしまう。SNSじゃなくて、リアルな展示にしているのは、目で見て、感じて、持って帰ってもらいたいからです。

河野 昔はクリエイションに取り組んでいたサロンはたくさんありましたが、今は若手に促しきれないという状況もあると思います。コンテストで受賞したり、雑誌に掲載される美容師さんはある程度決まっていて、頑張っても報われないのでは…と二の足を踏んでいる若手がいるのも事実。だけど、発表の場はコンテストだけじゃないし、美容師同士の競争でもないんです。このプロジェクトを見て、こういう形もありだなと思ってもらえたら嬉しいですね。

坂井 県内全域を巻き込んでいきたいですね! 


河野氏作品


坂井氏作品 ©IZANAGI



 

 

 

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