SDGsに取り組むモッズ・ヘア

Take ActionMar.20.2023

美容業界でSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む 企業・団体をご紹介するTake Action。
第5回目は、SDGs達成のために推進協会を立ち上げ、
理美容業界全体での活動に取り組む
モッズ・ヘア(エム・エイチ・グループ)です。


SDGs推進協会を設立し
美容業界全体での
環境貢献を目指す

株式会社エム・エイチ・グループ
営業推進部 部長
西岡 知子氏(写真:左)

株式会社エム・エイチ・グループ
取締役兼執行役員 COO
理美容SDGs推進協会 代表理事
半澤 勝己氏(写真:右)


SDGsへの取り組みは
環境だけでなく業界の
未来のためでもある

2023年にブランド設立55周年を迎えるヘアサロン『モッズ・ヘア』を運営するエム・エイチ・グループ。世界のヘアトレンドをけん引してきたサロンとして、SDGsにおいても、自社だけでなく理美容業界全体での取り組みをすべく、2021年に『理美容SDGs推進協会』を設立しました。サロンだけでなくディーラーやメーカー、行政などとも協力して、個人経営の理美容室でも活動に参加しやすい仕組み作りに取り組み、現時点で約200軒のサロン様が参加してくださっています。

協会では、電力の再生可能エネルギーへの切り替えのための導入支援を中心に、水平リサイクル※推進のためのボトル回収、キャッシュレス化などを進めていき、美容師がメインとなる団体を目指しています。これからSDGsへの取り組みはますます注目されるようになり、仕事選び、サロン選びの基準となってくると思われます。その際に理美容業界が安心して選んでもらえるように準備をすることは、長い目で見れば集客や売り上げ、企業の価値、美容師の地位を向上させるはずです。
※使用したペットボトルなどの製品をいったん原料に戻し、再度同じ製品として再利用すること。

ライフプランに合わせた
働き方を選べるから
長く楽しく続けられる

「女性、障害者、高齢者や外国人等多様な社員一人ひとりの活躍が、会社の成長に結びつく」という経時代に合わせてサロンでの働き方も変化しています。『モッズ・ヘア』の取り組みのひとつが「キャリアサポートプログラム』。スタッフが育児や介護によりフルタイム勤務が難しくなった場合、状況に合わせて勤務日数や時間を調整して働く“キャリアサポートスタッフ”として勤務できる制度です(図1参照)。スタッフをサポートすることでキャリアを中断することなく仕事を続けてもらえることになり、会社にとっても新しい人材を一から育てるより、その人が継続して働いてくれる方がメリットがあります。この制度は2013年からスタートし、現在は女性スタッフの約10%が利用、育休明けの女性だけで見ると、ほぼ100%のスタッフがこの制度を活用しています。

また、ヘアサロンでは勤務時間外の自主練習が通例となりがちですが、『モッズ・ヘア』では本部に『モッズ・ヘアアカデミー』という研修施設を備え、勤務時間内にカリキュラムを学べるシステムを採用しています(図2参照)。お店で経験を積みつつ、講師から技術を学ぶ時間をしっかり確保することで、サロン全体の技術力を上げることが可能になりました。

さらに、現場のスタッフを本部社員・役員として登用する「Wキャリア」の試みも行っています。キャリアチェンジではなく、それまでの仕事を続けつつ週に2回は本社勤務という形をとっているため、これまでのキャリアも継続して活かしつつ、本部に現場の声がより直接届くようになりました。現役の現場スタッフが採用業務に加わったことで、現場目線のリアルな判断ができ、入社後のミスマッチが減少しました。

この様々な取り組みが出来てからは、離職率も下がってきています。

ヘアサロンだからできる
社会貢献は
学びの場にもなる

様々な企業との関係をいかして、ヘアサロンならではの社会貢献も行っています。日本ロレアルが主催しているシングルマザー支援プロジェクト『Pros Stand for you』に参加した際は、定休日のサロンを提供し、忙しくて美容院に行く時間をなかなか取れないシングルマザーの方々に、カットやヘアメンテナンスを施術、サロンでゆったり過ごす時間を楽しんでいただきました。ヘアケアによって笑顔になっていただけることは、スタッフにとっても大切な経験となりました。

様々な職業の方がその仕事について語るリクルートの就業支援プログラム『WORK FIT』は、児童養護施設の子どもたちが、就業への興味や将来の夢をもつ機会となるよう企画されたもので、弊社からはスタイリストが児童養護施設に出向き、ウィッグを使った実演を交えながら、美容師という仕事を紹介しました。このような支援活動やプログラムの参加は、これからも継続して取り組んでいきたいと考えています(図4参照)。

SDGsへの取り組みは、「必要だけれどコストがかかるもの」と敬遠されがちですが、様々な会社や団体・行政が協力することによって、環境対策に取り組みやすい土台を築くことができるはずです。業界全体がSDGsに積極的に取り組んでいるという姿勢を見せることで、美容師を目指す学生さんやお客様にも安心してご利用いただくことができ、美容業界の活性化にもつながると考えています。これからも皆さんと共に環境のために、そして美容業界のためにできることを模索してまいります。


http://www.mhgroup.co.jp/
株式会社エム・エイチ・グループ

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