GAMO NEWS No.109 COVER LOOK interview

Making Cover LookMay.26.2023

GAMO NEWS今号のテーマは、“動き”を意味する『Motion』。 カバー&ヴィジュアルを手がけていただいたのは、 THA 2021ハイクリエイション部門のグランプリ受賞をはじめ、受賞歴多数 東北のクリエイションシーンを牽引している『Arrows』オーナー、山﨑 真氏です。 ヘアデザインとカメラの二刀流で創り上げた世界を堪能ください。


山﨑氏がイメージする テーマ『Motion』とは 
—テーマから、どのようにイメージを展開されたのですか?

美容のフォトコンテストなどに出す作品づくりでは、カットラインをビシッと決めて、彫刻のような硬い感じで撮ることが多いです。しかし、今回はテーマをいただいた時に、モデルさん自身が持つ、自然体で柔らかな雰囲気を活かして、柔らかく動くようなデザインにしたいと思いました。スタイリング剤もあまり使わず、自然の風や身体の動きがあった時に毛が流れるようにカット、カラーはシンプルに作り、あとは撮る中でモデルさんに動いてもらうことをイメージして準備していきました。

フォトコンはバストアップの作品が中心になるので、今回のように引きの構図や全体像、女性像を意識して、ファッション寄りの作品を撮る機会はあまりやってきませんでした。なので今回は、評価を気にすることなく、自分のやりたい世界観で作れたので、すごく楽しかったです。フィギュアスケートで例えるなら、競技の終わった後に上位入賞者が行うエキシビションの感じですね(笑)。今後の作品にも活かしたいと思います。 



表紙の作品

 


中面の作品(右)


中面の作品(左)


ー今回のモデル起用の理由とカラーを含めたデザインのポイントも教えてください。

盛岡で撮影を行なうことになったので、スタッフもモデルさんも地元に縁のある人だけで全国誌の表紙を飾りたいと思ったのが一番大きな理由です。それプラス、彼女の魅力・個性です。

デザインのポイントは、もともとブリーチしてあったので、表紙の作品は、色を少し調整して、普段の本人にも似合いそうなペール系のブルーに。中面(右)の作品には、彼女は絶対、前髪パッツンが似合うだろうなと思ったし、単純に僕が見てみたかったので、グレーに染めてカットしたウィッグを用いました。中面(左)の作品は、その土台を活かしたカラーリングのスタイル。全て本人ありきのデザインということで作りました。




意識せずに見ているものが 作品づくりに活かされている
ーインスピレーションの源は何ですか?

インスピレーションを得ようと思って見ているわけではないのですが、廃墟や世界の珍百景、昭和の路地裏の写真とか変なものをネットでよく見ています。あとアニメや漫画は大好きですし、Pinterestを流し見したり、ファッションも好きなので、こういう素材いいなとか、メンズのモデルさんだけど変な髪型しているなとか、帽子の形が面白いなとか思いながら見ることが多いので、自然に入ってきているのかもしれないですね。そうやって頭の中に無数の引き出しがあるから、作品作りをする時にやりたいことが大渋滞になってしまうのかもしれません(笑)。
 



自分でカメラ撮影も行うと最後の画までが想像しやすい
ーヘアとカメラの二刀流で撮影をされるようになったきっかけと、メリット、デメリットだと感じることを教えてください。 

カットコンテストには前サロンの2、3年目ぐらいからエントリーしていて、クリエイション撮影も先輩などについて年に2、3回、カメラマンに撮ってもらうことはありました。本格的に撮影をするようになったのはここ4、5年で、自分で撮った方がもっとたくさん撮影が出来るし、カメラの技術が上達すれば、よりイメージに近づけた作品を撮ることができるのではと考えていました。そんな時に「一緒に撮影をしましょう」と声をかけていただいたことがきっかけで、撮影会を開くようになり、自分の作品も人の作品も撮るようになりました。

自分でカメラをやると、最後の画までが想像しやすく、コミュニケーションも不要。自分の頭一つで完結するのが良いところです。デメリットは、ヘアを作って撮影の一発目からキマることはないので、ライティングを微調整したり、カメラの設定を変える。これでいけると思って撮ってみると今度はヘアが違うとなる。その行ったり来たりは少し大変ですね。

もう一つはヘアの細部までこだわると時間がかかるので、すごく楽しいのですが、かなり体力的にエネルギーを消耗します。また他の美容師さんのモデル撮影をする時は責任重大。いい感じに仕上げなくてはいけないし、迷子になれないというプレッシャーがあるので、メンタルでは人の作品を撮る方が大変です。

ー現在、盛岡での撮影会を山﨑さん主導で行われているそうですが、チームのメンバーからもフォトコン受賞者が輩出されていますね。

撮影会は、盛岡のクリエイションを盛り上げたいというよりは、単純に皆んなでやっていて楽しいんですよ。こういう会がないと、美容師ってサロンワークをして、たまにセミナーを受講してみたいな感じだから、他のサロンさんとの付き合いも生まれにくい。自分もそうですけど、撮影会を通してスタッフ同士もどんどんコミュニティが広がるから楽しいと思うんですよね。また、撮って上手くいった、いかなかったで、アドレナリンが出るし、コンテストで結果が出た、もしくは悔しい思いをすれば感情が揺り動かされるきっかけにもなります。盛岡で囲うような考えでやっているわけではなく、他県からも来てほしいですし、自分もカメラマンとして呼ばれたら絶対に行きます。また、他の方に撮ってもらうために東京に行くこともあります。人と人を繋ぐようなきっかけになれたらと思いながらやっています。

 

クリエイションを続ける原動力は 「結果を出す」ことが一番!
ーこれからクリエイションを始める方や、始めたけれど、なかなか上手くいかないと感じている方に良いアドバイスはありますか?

まず、クリエイションをまだ始めていない人へは、頭の中で悶々と考えていてもしょうがないので、コンテストの出場でも撮影でもいいので、一日でも早く、やる日を決めること。そこから全てが始まります。  また、クリエイションを始めたけれど停滞している人へのアドバイスは難しいですね。金銭面、時間、結果が出ないなど理由は何パターンかあると思うので。でも、そのネガティブな要素を凌駕しても続けなきゃと思うモチベーションって、やっぱり結果だと思うんですよ。結果が出るとやらなきゃならなくなる。「単発で終わりたくない」「もっと上にいかなければ」という気持ちが出て、良くも悪くもプレッシャーになるから。

でも、「なかなか結果が出ない」と言っている人に「何かコンテストに出しているの?」と聞くと出していない人が結構いるんですよ。出したら評価されるかもしれないのに。だから「作品を撮ったらダサいと思っても出しなさい」とアドバイスしているのです。お金をかけて作品を作らなくてもいい。僕もそうだったし。とにかく評価される場、フォトコンでもカットコンテストでも結果を求めて、出して、出して、出しまくってください!



COVER LOOK BY
Arrows_Makoto Yamazaki

HAIR&PHOTO:Makoto Yamazaki(Arrows)
MAKE UP:Ayaka Komorita(Arrows)
ASSISTANT:Genta Mifune(Arrows)
FASHION:hana
MODEL:koyoi momooka

 

山﨑 真氏
岩手出身。盛岡ヘアメイク専門学校卒業。盛岡市内1店舗を経て独立。『Arrows』設立。2021年、THAハイクリエイション部門グランプリ。2021年、JHA北海道東北エリア賞。JHAノミネート8回、ミルボンDAフォトワークス受賞3回、他受賞歴多数。
@zaki.yama.arrows  @zaki.yama.photo 



 

岩手県盛岡市開運橋通5-7 東映堂ビル1F
@arrowshair

  • Web Order
  • GAMO App
  • THEME CUT
  • THA
  • CHANGE YOUR LIFE 2024

Contact