GAMO NEWS、今号のテーマは『Unknown(未知の)』。
カバー&ヴィジュアルを手がけていただいたのは、KHA関西ヘアドレッシングアワード2018でグランプリを受賞された山中 周也氏(Marais)。京都・山科のサロンで撮影した様子をご覧ください。
山中 周也氏がイメージする「Unknown」とは
—テーマ「Unknown」からイメージしたことは何ですか?
サロンワークはお客様も美容師も未知の部分がありますし、クリエイティブワークもフォトグラファーさんやスタイリストさんとの協業になるので、自分だけの力では創れない想像を超えた、未知なるものが生まれる可能性があります。このテーマをいただいた時に、そうした美容師の仕事における日々の考え方と似ている部分があると感じました。
そこで今回の撮影では、モデルさんが感じる未知の部分に対しての期待感などを引き出していきたいと思い、3つのスタイルを創りました。全体的にモード感の中に遊び心を入れたスタイルをテーマとし、ヘア、メイク、ファッションのバランスを考えながら、ナチュラルな中にヘアの強さを入れたり、派手なファッションの中でモデルさんを引き立てるヘアデザインを意識しました。一人の女の子がちょっとカットをしたり、カラーを変えたりすることで少しずつ強い女性像に変化をしていくのを感じていただけたらと思います。
表紙の作品
中面の作品(右)
中面の作品(左)
カット、カラー、スタイリングのポイント
—各スタイルのポイントを教えてください。
<表紙>
自分がカッコいいと思う髪、ファッション、メイク、写真。それぞれがモデルさんの良さを引き立てるぐらいのいいバランスを意識しました。1年後に見ても「いいなー」みたいな。ただ、自分は美容師として自分印は残したいと思っていたので、カットでシルエットの違和感を主張しないバランスで創りました。
<中面(左)の作品>
髪が短いのでカットだけで3パターンの変化を出すのは難しいと考え、2カット目の前にカラーチェンジを行いました。70年代のユース・カルチャーからイメージしたモード感。服にボリュームがありカッコいいので、ヘアをシンプルに主張させたいと思い、前髪だけ勢いをつけて強さを出しました。ヘアカラーは肌の質感と女性像に合わせ、マット質感の緑色っぽいカラーにしています。
<中面(右)の作品>
カラフルでボリュームのあるドレスに合わせ、ヘアも全体的に動かしてボリュームを持たせようとしたのですが、髪の長さがなく中途半端になってしまう可能性があると考え、急遽、ミニマムでコンパクトな方向に切り変えました。前髪がないぐらいに短くし、そこを見せどころにしました。少しだけクリームをつけてスタイリングしています。
事前にメイクテストを行い、イメージを構築
—セット面にイメージ画像が貼ってありましたが、クリエイティブの撮影をする時にはいつも行っているのですか?
撮影前には何度もテストをします。ヘア、メイク、ファッションを事前に確認したり、当日にハマらなかった時のアイデアを何回か試したりしておかないと不安なので。今回も撮影前に3、4回モデルさんに来てもらいテストを行いました。撮影当日はその時に撮影した写真やインスピレーションを得たイメージ画像を貼って、確認をしながらやっています。
メイクを自分でやるようになったのは、2年前にsvkメイクスクールに行ってからです。去年、KHAのグランプリを受賞した作品は、メイクをいろいろ試したかったので、頭の中にあるアイデアを試して創りました。今年は、自分の中でヘアをしっかりやろうと思っています。
ヘアとメイクの両方を自分で出来るというのはすごい強みになっていると感じます。メイクをすることによってより自分のイメージを強調したり、逆に引いたりしてバランスをとることもできます。
スタイリストさんは今回、初めて仕事をさせてもらうので、ファッションのイメージ画像を見せて共有しましたが、フォトグラファーさんにはいつも撮影をお願いしている方なので、細かくイメージを伝えなくても僕の頭の中にあるもの以上のことをやってくれます。だから撮影も早い(今回も)!
今まではコンテストに出すため、コンテスト寄りの作品しか創ってこなかったのですが、今回は自分自身、インプットしたいのもあり、ファッション性のあるものを創りたいと思い、スタイリストさんを入れ、ファッション性のある作品にトライしました。
当日、はじめはライティングで撮ろうと思っていたのですが、テストをしてみたら強すぎてイメージと異なり、急遽、自然光で撮影することになりました。自然光に対応しながら、構図も寄りだけでなく引きで全体のバランスを捉えながら、どうやってヘアを主張するかを考えました。そういう意味で今回は自分の中でも新境地が開けた感じがしています。
クリエイティブワークとサロンワークは繋がっている
—クリエイティブワークを始めたのはいつからですか?
7、8年ぐらい前からです。他のサロンの美容師さんに撮影してもらったことがあり、その時にいろいろ教えていただいたことがきっかけでした。カットコンテストを中心に取り組んでいたので、フォトコンテストに出す作品を本格的に創り始めたのは5、6年前からです。
最近、クリエイティブとサロンワークは繋がっていると思うようになりました。これまでフォトコンテストやカットコンテストでも、モデルさんの地毛でカットを行うことにこだわり、それがサロンワークに繋がると思いながらやってきました。今では、それが「自分の色が一番出せる」と思っています。
今回は、チャンスをいただいた大切な仕事なので、思い入れのあるモデルさんにお願いしました。クリエイティブ作品を創る時に「女性像」を考えますが、それがサロンワークにも生かされて、お客様に対して、今の気分はどうなのかな、どういう女性像になりたいのかな、どういう女性像が似合うのかなと、細かいところまで考えることができるようになりましたね。一人一人のお客様のこのみ、髪質、ライフスタイル、ファッション、メイク、年代、時代性をしっかり考えてヘアスタイルを創るようになりました。トレンドだからとか、表面的な部分でしか提案しないのは少し違うかなと思います。
いくつになっても挑戦し続ける自分でいたい
—コンテストは今年も挑戦されますか?
コンテストやクリエイティブに挑戦し、結果を出している美容室や美容師の姿に憧れ、自分の店を出しました。今も変わらずクリエイションを続けている先輩方もいて、カッコいい作品を創る人は、本当にカッコいいと思います。
自分自身も、クリエイションをやり始めた時の気持ちを忘れず、これからも続けていきたいですし、それを強みにしていきたい。そして強いチームを作っていきたい。
昨年、TBC(東京ビューティーコングレス)を見に行ったのですが、全国の美容師さんが出場されているので、それぞれの色が出ていて面白いと思いました。なので、今年は僕もTBCのカットコンテストに出場します!狙いにいきますよ!
COVER LOOK BY
山中周也_Marais
HAIR&MAKE-UP/SHUYA YAMANAKA(Marais)
STYLING/YUTA KOTANI
PHOTO/YUJI WATANABE
カバー: コート、ジャケット、ベスト KEISUKEYOSHIDA
P2: トップス、スカートTOMO KOIZUMI
P3: 大付け襟、チュールケープ、スモックwrittenafterwards
山中周也
Marais代表。1985年生まれ。京都市内1店舗を経て2013年に京都・山科にMaraisをオープン。2018年、KHAグランプリ。2018年、三都杯グランプリ。
https://www.marais308.com


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