GAMO NEWS、今号のテーマは『Update』。
カバー&ヴィジュアルを手がけていただいたのは、様々なコンテストでの受賞歴を持つ、小樽『Hair make U-YU』、札幌『Z SALON/me』のオーナー、山下 大器氏。
ガモウ北海道 札幌本社スタジオで撮影したメイキングをお楽しみください。
山下 大器氏がイメージする「Update」とは
—テーマ「Update」からイメージしたことは何ですか?
テーマをいただいたのが、自分自身をUpdateしなければと思い悩んでいた時だったのでタイムリーでした。まず、何を、誰を、Updateするのかで迷いました。僕はコンテストに作品を出すことが多いのですが、今回のモデルさんを今まで何回も撮影しています。でも、コンテストに「勝ちたい」という思いから、業界ウケを狙い、エッジーで切り込んだスタイルを創りがちになっていました。それでは結果が出ないのも当たり前です。今回の撮影はカットではなくセットスタイルで、美容師だけでなく一般の人が見ても純粋に「この子、可愛いな」と思ってもらえるよう、彼女をUpdateさせたいと思いました。サブテーマは「少女から大人の女性へ」。秋冬ファションは久々にロマンティックやフェミニンがトレンドとして出てきているので、甘い感じのモード性もミックス。美容師の技術と感性のセッションで、一人の女性がここまで変われるということを楽しんでいただけたらと思います。
表紙の作品
中面の作品(右)
中面の作品(左)
大人の女性に変化していく姿を表現しました
—各スタイルのポイントを教えてください。
<表紙>
設定は10代です。
まだ、夢を見ているような年頃だと思うので「ロマンティック」「ナチュラル」をテーマとし、夢見がちな雰囲気をどうやって出そうか考えました。
髪質はサラサラしているけど、若いので油分もある感じ。
まだ髪をキレイにセットすることができないから結んでいたのだけど、気に入らなくなって解いてみたら、
「あ、これ可愛い、イイ感じ」みたいな、大人には分からないバランス感覚。
幼く見えるように、クセっ毛のようなカールをつけています。
メイクはまだ覚えたての感じですね。
<中面(右)の作品>
設定は20代前半。
少し、世間の目を気にするようになり、少し大人びてきている年頃。
「ロマンティック」「クラシック」をテーマにしました。
ヘアはちょっとリーゼント風のシルエット。
服にボリュームがあるのでヘアをコンパクトにまとめています。
最初はもっとコンパクトでしたがバランスが悪く、クラシックの中にもロマンティックさを出すために少し崩してボリュームを足しています。
メイクは、いろいろ道具も揃って楽しくなってきた頃。
ちょっと挑戦的な色のリップもつけてみたり。
<中面(左)の作品>
設定は20代半ばから後半ぐらい。
ドレスがブラックで重たい印象なので、ヘアを大きく見せ、小顔効果も狙っています。写真を撮るのも、寄りより引き。
年齢が上がるにつれて、自分を美しく見せるテクニックを女性は学んでいきますよね。
メイクもこなれてくる頃なので、秋のトレンドカラーを意識して、少し背伸びして大人っぽく見せています。
サロン内にプロフェッショナルを揃えています
—今回の撮影チームについて教えてください。
今回は全てうちのスタッフです。
メイクは妻で、今日は夏休みを利用して娘がアシスタントとして活躍してくれました。
カメラは、北海道店のカラーリスト/クリエイティブディレクターです。
北海道はカメラマンやスタイリストなどがあまりいないこともあり、サロン内でプロフェッショナルを揃えたかったのです。
彼には入社してからカメラを学んでもらいました。
サロンスタイルの撮影は月に2、3本。コンテスト向けの作品は年に数回行っています。
スタッフだし夫婦なので、言いたいことが言いやすい関係というのもありますが、毎回バトルがあります。今回は珍しく、平和でした(笑)。
妻も経理としてサロン業務に追われている中で、日々色々なものを抱え、時に煮詰まることもあるし、もっと新しいものが見たいと思っている時に、意見がぶつかるのでしょう。
でも、「いいよね」だけで終わるよりは、結果としていつも良いものが出来ていると感じます。
北海道にクリエイション仲間を増やしたい
—クリエイティブワークを始めたのはいつからですか?
僕は両親とも美容師で、17歳の時から他の美容室に入り、住み込みで修行。
独立する前は大阪、奈良、東京のサロンで働いていました。
美容師になって最初の頃は妻とモデルハントしてスタイルを作り、自己満足に浸っていたのですが、先輩に「それだけでは独りよがりだよ。同業者に認めてもらってやっと一人前じゃないの?」とアドバイスをいただき、22、23歳の頃からクリエイション作品の撮影を始め、KHAやトレンドビジョンアワードなどのコンテストに挑戦するようになったのです。
色々な縁があって2010年に北海道に移住することになり、小樽に『Hair make U-YU』をオープンしたのですが、当時は北海道にクリエイション仲間が全く見つかりませんでした。
オープンした年は立ち上げで大変だったのですが、2年目からコンテストに挑戦。
僕が様々なコンテストに入賞するようになると、興味を持つ人が少しずつ出てくるようになりました。
そこで、北海道にも撮影文化を広めたいと思い、関西からカメラマンを呼び、SNSを通じて「一緒に撮影をやってみませんか?」と呼びかけ、合同で撮影会を行うようになったのです。
そして、ちょうどその頃からガモウ北海道さんもクリエイションに力を入れ始めてくれたので協力し合い、今ではクリエイション仲間も増えて盛り上がりをみせています。
北海道のサロン全体の底上げにもつながっていくのではないかと期待しています。
クリエイションとサロンワークは繋がっている
—クリエイションをやることで得られるメリットはありますか?
スタッフもコンテストに挑戦するようになってから、色の似合わせ方が上手くなってきたなと感じています。
札幌の店舗は、クリエイションで知り合った美容師に店を任せたので、カラーが強みです。客層が若く、美容学生さんも多いのでビビットなカラーをされるお客様からも支持をいただいています。
撮影は今回のように1人のモデルさんのスタイルを変えていくパターンが多いので、様々な似合わせの提案ができるようになりますし、ちょっとしたバランスの違いがわかるようになります。
色々な女性像を創っていると、お客様が「変わりたい」と思うタイミングで提案ができるようになるので、サロンワークに役立っていると思います。
僕自身、Updateできました!
—これからの目標を教えてください。
店や人を作ることもクリエイションの一つ、12月に3店舗目の出店を予定しているので、当面、次の目標は新しい店をどう発展させるかです。
今年41歳なのですが、厄年のど真ん中! 昨年からスタッフの独立でバタバタしたり、自分のクリエイションも上手くいかず、
悩むことも多かったのですが、やっと最近、色々なことがスッキリしてきました。
やはり、自分の「好き」に立ち返ると作品にも生命力が宿るということが今回の撮影を通して実感したことです。
僕自身がUpdateできたと思います。
若い美容師さんへのメッセージ
—読者の皆さんにメッセージをお願いします。
皆さん、店に勤めていたり、自分がオーナーだったり、フリーランスだったり、色々だと思うけど、美容師は良い時もあれば大変な時もありますよね。
歳をとると感じることがあるんですよ。僕はまだ41歳ですけど、お客様に対しての考え方って変わっていくのです。
20代とか30代前半は、お金や休みがないと嫌だと思っていた時期もあるけど、今はいや、それが全てじゃないぞと。
この仕事って、人と関わって、人からエネルギーをもらう仕事。
お客様から、楽しいとか、嬉しいとか、カッコよくなったとか、可愛くなったとか、直接お礼を言ってもらえます。
こんな風に、人から必要とされ、人を幸せにできる仕事ってなかなかないと思うのです。
美容師は、一緒にお客様と生きていける仕事。
だからこの仕事は辞められないし、その大切さを忘れずに続けていくと、
必然的にお金や休みも付いてくる。きっと良いことが待っていると思います。
美容の仕事を好きになって、自分の仕事に自信を持ってほしいですね!
COVER LOOK BY
TAIKI YAMASHITA_Hair make U-YU
HAIR/TAIKI YAMASHITA (Hair make U-YU)
MAKE-UP/MEI (Hair make U-YU)
PHOTO/KEIICHI ONO (Z SALON)
MODEL/YURA KUBOTA (MIST K’s COMPANY)
山下 大器
(株)カミト代表。1978年生まれ。大阪、奈良、東京のサロンを経て2010年、小樽に『Hair make U-YU』をオープン。2015年、札幌にヘア・アイラッシュサロン『Z SALON/me』、2019年には3店舗目をオープン予定。クリエイションを軸にメーカー、ディーラーなどでセミナー講師として活躍。様々なコンテストにて受賞。また自社でコンテストやイベントを開催し、北海道の美容師を盛り上げる活動を行う。
http://u-yu.jp
http://zsalonkamito.jp


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